2019年、人気上昇中だった女性お笑いコンビ「Aマッソ」のひとことが、世間を騒がせました。
お笑いコンビのAマッソが、テニス選手の大坂なおみさんについて不適切な発言をしたことが大きな問題になったのです。
この記事では、何が起きたのか、なぜ問題になったのか、その後どうなったのかをわかりやすく説明します。
目次
Aマッソってどんなコンビ?

Aマッソは、加納愛子さんとむらきゃみさん(2023年に村上から改名)による女性お笑いコンビです。2010年に結成されました。
- 経歴: 大阪NSCに通った後、上京してワタナベコメディスクールで学び、卒業後はワタナベエンターテインメントに所属していました。
- 芸風: シュールで独創的なコントや漫才が特徴です。日常の中の変わった部分や人間の不思議な面を、独特の視点と言葉で表現しています。
- 活動: テレビのお笑い番組やバラエティ番組に出演するほか、ラジオ番組「Aマッソのヤングタウン」やYouTubeでも活動しています。定期的に単独ライブも開催しています。
- 現在: 2024年3月末でワタナベエンターテインメントとの契約が終了し、今はフリーランスとして活動しています。
Aマッソがいじめ?大坂なおみ選手への不適切発言
問題が起きたのは2019年9月22日、渋谷区で開かれた「思い出野郎Aチーム presents ウルトラソウルピクニック」というイベントでのことです。
イベントの様子
音楽バンドの「思い出野郎Aチーム」が主催するイベントで、音楽ライブやDJ、お笑いライブなどが行われていました。
Aマッソはゲストとして漫才を披露しました。
問題発言
漫才の中で、加納さんが大坂なおみ選手について「あの人、日焼けしすぎやろ」「漂白剤いるんちゃう?」という内容の発言をしました。
日本の漫才コンビ「Aマッソ」がイベントで、
テニスの大坂なおみ選手(21)は「漂白剤が必要」などと
差別発言をしたとして、所属事務所が謝罪した。
Aマッソはこのほか、「大阪選手は日焼けしすぎ」などと発言したという。
引用元:BBC
相方のむらきゃみさんはその場で特に止めなかったとされています。
なぜこれが大問題だったの?
この発言が大きな問題になった理由はいくつかあります。
人種差別的な要素

大坂なおみ選手はハイチ出身の父と日本人の母を持つ選手です。
彼女の肌の色について「漂白剤が必要」と言うことは、肌の色による差別(人種差別)につながる発言です。
「漂白」という言葉は、有色人種の肌の色を否定し、白い肌を良いとする考え方を想起させる、とても配慮に欠ける表現です。
アスリートへの失礼
世界のトップで活躍し、多くの人に勇気を与えているスポーツ選手の外見、特に人種的な特徴をからかうことは、彼女の功績や人格を傷つける行為です。
社会への影響
テレビやラジオに出演する芸人が、たとえライブの場であっても、このような発言をすることの影響は大きく、差別を助長する恐れがあります。
世間の反応はどうだった?
この発言は、すぐにSNSなどで広がり、大きな批判を受けました。
特に「人種差別だ」「芸人として失格」「あまりにも無知」「大坂選手に謝るべきだ」といった強い批判が相次ぎ、Aマッソに対して厳しい視線が注がれました。
やがて騒動はネットの枠を超えて、スポーツ紙や週刊誌、ウェブメディアのみならず、一般紙やテレビのニュース番組でも取り上げられるようになり、社会的な問題として大きく報道されました。
さらに、大坂なおみ選手が世界的なスターであることもあり、この問題は海を越えて海外メディアにも注目されました。
BBCやCNNなども報じ、日本における人種意識の低さやエンタメ業界の課題として、国際的な議論にまで発展しました。
こうした中で、Aマッソを擁護する声はほとんど見られず、多くの人が発言の不適切さと配慮のなさを指摘するという、極めて厳しい世論が形成されていきました。
Aマッソと事務所はどう対応した?
批判が大きくなると、Aマッソとワタナベエンターテインメントは対応に乗り出しました。
事務所の謝罪
2019年9月24日、ワタナベエンターテインメントが公式サイトで謝罪文を発表しました。
発言が「多様性について配慮を欠くもの」だったことを認め、大坂選手や関係者、不快に思った全ての人に謝罪しました。
また、Aマッソへの厳重注意と、事務所全体での人権意識向上への取り組みを約束しました。
Aマッソ本人の謝罪

同日、Aマッソも手書きの謝罪文を公開しました。
「特定の方の名前を挙げ、多様性について配慮を欠く、大変失礼な発言」だったことを認め、深く反省していると述べました。
また、「お笑い芸人である前に一人の人間として、差別的な発言や人を傷つける発言をしないよう、多様性を受け入れる知識と考え方を身につける」と決意を表明しました。
活動自粛
具体的な処分内容は公表されませんでしたが、しばらくの間、メディアでの露出が減るなど、事実上の反省期間があったと考えられます。
その後の影響は?
この騒動は、Aマッソの活動にも大きな影響を及ぼしました。
特に顕著だったのが、仕事のキャンセルです。
もともと予定されていた清涼飲料水関連のイベント「Water Run」では、公式アンバサダーに就任することが決まっていましたが、発言問題が明るみに出るとすぐにその契約は取り消されました。また、ラジオ番組への出演も見送られるなど、他のメディアへの露出にも影響が及んだと報じられています。
このような出来事を受けて、Aマッソに対する世間のイメージも大きく変わりました。
「人種差別的な発言をしたコンビ」というレッテルが貼られたことで、特に新規の仕事やスポンサーが関わる案件では慎重な判断が求められたと思われます。
芸人としての表現の自由と、社会的責任とのバランスが問われた形です。

同時に、この経験を通して、Aマッソ自身や周囲のスタッフも、発言内容やネタの構成について、これまで以上に慎重になる必要性を感じたはずです。
単なる反省にとどまらず、今後の言葉の使い方や笑いの方向性にも影響を与える転機となったことは間違いありません。
そしてこの一件は、Aマッソ個人の問題にとどまらず、お笑い業界全体、さらにはメディアや表現に携わるすべての人々にとっての教訓ともなりました。
「笑いのためなら何を言っても許される」という時代はすでに終わっており、今はより一層、配慮と理解、多様性への意識が求められる時代になっていることを、社会全体が再認識する機会となったのです。
現在のAマッソは?
2019年の騒動から数年が経ち、Aマッソは活動を再開・継続しています。
- 現在の活動: ラジオ番組「Aマッソのヤングタウン」は続いていて、根強い人気があります。YouTubeチャンネルも定期的に更新され、独自の企画で楽しませています。
単独ライブも成功させ、コント師・漫才師としての実力を示し続けています。加納さんは小説も出版し、作家としても評価されています。
- ファンとの関係: 騒動後も彼女たちを応援し続けるファンは多く、その独特な才能と世界観は今も支持されています。
- フリーランスへ: 2024年春からフリーランスになったことは、過去の出来事を乗り越え、新しい一歩を踏み出そうとする姿勢とも受け取れます。より直接的にファンと向き合い、自分たちの表現を追求していく姿勢がうかがえます。
Aマッソいじめについてまとめ
「Aマッソ いじめ」という検索の背景にあるのは、2019年の大坂なおみ選手への不適切発言問題です。
これは「いじめ」の典型的な形とは違いますが、その攻撃的な性質や差別的な要素から、多くの人に深刻な問題として受け止められました。
Aマッソはこの過ちに対して謝罪し、その後も活動を続けています。
フリーランスという新しい道を選び、今後どのような表現を見せてくれるのか注目です。
この出来事は、彼女たち自身にとっても、私たち社会全体にとっても、言葉の責任、多様性への理解、人権意識について深く考えるきっかけになったと言えるでしょう。
この記事は、2025年4月9日時点で得られる公開情報や報道に基づいて作成しています。情報はできるだけ正確に伝えるよう努めていますが、完全に正確であるとは限りません。特定の個人や団体を傷つける意図はありません。
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